2019年1月21日月曜日

東北学院大学博物館で、「新浜で繋がる、自然・ひと・歴史」展を開催

 私たち南蒲生/砂浜海岸エコトーンモニタリングネットワークも参画した「新浜で繋がる、自然・ひと・歴史」展が、2019年2月25日(月)~5月25日(土)の期間、仙台市青葉区にある東北学院大学博物館で実施されます。
 私たちは、2011年6月から、仙台市宮城野区岡田新浜地区の海辺に設置した「南蒲生/砂浜海岸エコトーンモニタリングサイト」で、地盤の沈降・液状化や大津波による攪乱が地表や動植物に及ぼした改変の実態と、その後のすばやい生態系の再生プロセスについて調べ、「自然の防災力や安らぎ、生物資源など(生態系サービス)を活かした復興」を提唱・実践してきました。今回は展示では、そうした活動の一部を、「里浜ならではの暮らしぶりや自然との向き合い方」、「先人の工夫・営みや地域の自然・歴史を学び会うことを大切にした復興の推進」との「繋がり」の中で紹介します。
 お時間をみつけて、是非ご来場下さい。


『海辺のセミナー』のご案内

 植生学会企画委員会「東日本大震災プロジェクト フェーズ2」の一環として開催される「海辺のセミナー」をお知らせします。

 このプロジェクトは、東日本大震災の直後に海辺の植生を対象として沿岸部で行われた調査研究や保全活動等を再検証するものです。そこで得られた知見を風化させることなく地域づくりや環境保全に活かし、持続可能な社会づくりに貢献することを目標として、2018年度に始動しました。私たち『南蒲生/砂浜海岸エコトーン モニタリングネットワーク』のメンバーも、協働・支援しています。
 ぜひ、ご参加下さい!

植生学会のお知らせ(pdfファイルへのリンクです)

日本景観生態学会 生態系インフラ活用検討委員会のfacebookページ




2018年11月23日金曜日

『平成30年度 新浜の自然と歴史の学習会』のご案内

 南蒲生/砂浜海岸エコトーンモニタリングネットワークも主催に加わる学習会が下記のとおり開催されます.南蒲生モニタリングサイト近くの新浜での,地域資源の再発見と利活用に関する活動を総括するものです.お近くの方はぜひご参加ください.


  1. 日時:平成30年12月2日(日)12時~16時
  2. 場所:新浜町内会集会所(宮城野区岡田字新浜浦通西14の3)
  3. 参加費:なし
  4. 申し込み:11月29日(木)まで  新浜町内会・庶務 遠藤源一郎まで

  E-mail: endoh_g”アットマーク”lemon.plala.or.jp

12:00 いも煮、昼食
13:00 開会あいさつ 
13:05~14:40 活動報告
 1)新浜の復興まちづくりの進捗状況・課題・今後の活動 新浜町内会
 2)南三陸地方バスツアー(前浜地区と泊崎荘のグランド・ゴルフ場) (株)KCS
 3)新浜の暮らしの掘り起こし 東北学院大学文学部菊池ゼミ
 4)新浜の海辺の調査・再生支援活動 東北学院大学教養学部平吹ゼミ
 5)新浜復興まちづくりに関わる諸活動報告 支援いただいた団体・市民・企業など 
14:50~15:50 ワークショップ(「地域資源の共有と発信」等についての話し合い)
15:50~16:00 まとめ
16:00 閉会


2014年8月1日金曜日

仙台海岸に戻って来たタヌキの食べ物

 2011年の津波で海岸から数km内陸まで浸水した仙台海岸にタヌキが戻ってきました!

 タヌキの糞を収集し、何がその中に含まれているのかを分析したところ、「タヌキとその餌となる生きもののつながりが回復しつつあること」、「餌となる生きものは海岸で再生する植物やそれに依存する昆虫から構成されていること」がわかってきました。

 餌となる生きものの種組成などの詳細については、以下の速報をご覧ください(pdfファイル [0.5MB] がダウンロードされます。)


高槻 (2014) 仙台海岸に戻って来たタヌキの食べ物.

Y.H.

2014年7月14日月曜日

昆虫班からの報告 ―ヤツが来た!―

 2012年8月の記事に、サイト内の水たまりが乾いたり溜まったりを繰り返しているらしいという話を書きました。この水たまりは変化を続け、これまでさまざまな昆虫が記録されています。今年の様子を見に行ってみました。

水辺の植物におおわれた水たまり(2014年7月2日撮影, 以下同じ)


 2012年までは、植物はまだ多くありませんでした。2013年中に画期的に増えたようで、今年は写真のように、水面がよく見えないほど茂っています。草にキイトトンボが止まっていました。羽化後あまり時間が経っていないようなので、この水たまりで成長したのでしょう。モニタリングサイトのニューフェースです。

 そして水の中には、何種類かのヤゴ(トンボの幼虫)、ハイイロゲンゴロウの幼虫、コミズムシの仲間などに混じって――いやむしろそれらをしのぐ数の生き物がいました。ドジョウの幼魚です。ついに、魚類が来ました。いったいどこからどうやって来たのでしょうか? ここが別の水たまりとつながっているところは見たことがありません。

まだ完全には色づいていないキイトトンボ

ドジョウの幼魚。在来種か外来種かは今後の宿題

 ドジョウは、下のような小さい水たまりにもいました。上の水たまりとは100mくらい離れています。こちらではハラビロトンボが発生していました。このトンボもニューフェースです。

広い草地の中の水たまり。ここにもドジョウが

ハラビロトンボの♂。♀は黄褐色

Y.I.


2014年7月7日月曜日

昆虫班からの報告 ―変化する環境―

 夏を迎えました。モニタリングサイトはみずみずしい緑におおわれて、目と心に染み入ります。ちょうどテリハノイバラが満開で、ノハナショウブやカワラナデシコも咲いていました。

木漏れ日の差す林床にいろいろな広葉樹が葉を広げている(2014年7月2日撮影, 以下同じ)

咲き始めのカワラナデシコ

 津波の作用で拡大し、被災域の特徴の一つになっていた砂地の裸地ですが、モニタリングサイトでは植物の進入につれて縮小してきました。春から秋まで裸地に無数にいたコニワハンミョウも、今回は1頭見ただけです。草が進入してきた砂地には、アリバチ類やアリガタバチ類が歩いていました。これらのハチは他の昆虫に寄生して育ちます。

 松林の林床にも落ち葉が積もって空き地がずいぶん減りました。アリジゴクも住宅難になってきたようです(下の写真)。この巣の主はクロコウスバカゲロウの幼虫でした。

クロコウスバカゲロウ幼虫の巣

 湿地のまわりを囲むイネ科植物の草地には、たくさんのハマベアワフキがいました。どうしても背中を見せてくれません。

ハマベアワフキ。近づくと向こう側に回り込んでしまう

 ヨシ原も草原も厚みと密度を増し、もう分け入るのも簡単ではありませんが、そこにはたくさんの生き物が抱かれています。環境が変化していく過程で、さらに多くの生き物を育てます。改変が進む沿岸部で孤島のように残ったモニタリングサイトを、生き物の聖域として、どうにか残したいものです。

Y.I.