2012年10月16日火曜日

南蒲生モニタリングサイト、「保存すべき震災遺構」候補に!


 さる9月24日、「3. 11震災伝承研究会」は、「東日本大震災のすさまじさと教訓を後世に伝えるべく、保存すべき震災遺構」として、宮城県内46か所の構造物や自然景観をリストアップし、公開しました(http://www.tsunami.civil.tohoku.ac.jp/hokusai3/J/shinsaidensho/index.html)。
 そして、私たちが生態学的なモニタリングを実施し、調査地の存続を要望してきた「南蒲生/砂浜海岸エコトーン区域」も、「仙台市の南蒲生地区」として登録されたことが明らかになりました。
写真1. 仙台市南蒲生の鳥瞰.Google Earthの東日本大震災直後の画像.

 「3. 11震災伝承研究会」は、復興計画策定や津波被害研究などに携わっている有識者・専門家など13名から構成される学術性の高い団体とのこと。震災遺構としての「仙台市の南蒲生地区」の価値について、研究会は「仙台湾の松林を主体とする海岸林は、倒壊、破壊、流失など極めて大規模で多彩な被害を受けた。この地域は、その様相を如実に示し、津波の力がいかに巨大かを物語る。再生する自然の粘り強さ、海岸林の津波減衰効果を示す場として重要。」と述べています。
写真2. 写真1で「櫛の歯」状に樹林が残存している「内陸側の壮齢海岸林エリア」の状況. (2011年4月撮影)
写真3. 写真1でほぼすべてのクロマツが幹折・枯死した「貞山堀東側の若齢海岸林エリア」の状況. (2011年6月撮影)


 私たちも、生態系のモニタリングや保全に対して関心をお持ちの皆さんと、さらに連携を広げ、深めながら、「巨大津波による破壊とその後の自律的修復の実態」をきちんと追跡し、そして「自然と調和した復興・ふるさとづくり」に貢献したいと決意を新たにしているところです。
 皆さん、どうぞご支援下さい!

Y.H.