今回は幸いにも,ほぼ同じ場所から同じ方角を撮影した写真が3枚ほどありましたので,ご紹介します.定点撮影を意図してはいませんでしたので,撮影間隔は一定ではなく,撮影範囲も少しずれています.
震災後2ヶ月が経過したサイト内の湿地周辺(2011年5月14日) |
震災後3ヶ月が経過したサイト内の湿地周辺(2011年6月10日) |
さらに1か月後の様子です.ヨシが成長し,倒木クロマツの合間に見える広葉樹の緑が増えています.クロマツの落枝は枯れ,ヤダケが展葉し始めているように見えます.風雨による浸食のせいか,キャタピラ跡は消えました.
震災後2年4ヶ月が経過したサイト内の湿地周辺(2013年7月7日) |
ひとつ前の写真から2年とひと月が経過しました.ヨシを始めとする様々な抽水植物が繁茂し,クロマツの倒木は広葉樹に覆われて確認できなくなりました(広葉樹にはハリエンジュも含まれますが).手前にはクロマツ実生をはじめ複数種の植物が新たに定着していることが分かります.ヤダケは青々と茂る一方で,一部のクロマツ林冠木は立ち枯れているようです.
ほぼ同じ場所から何度か撮影しておくだけで,植生の変化がある程度わかりますね.機会があったら,サイト内で撮影された写真を集めて,様々な場所の時間的変化を確認するのもよさそうです・・・.
現地の皆さんが主体となって様々な分類群の生物相モニタリングを進めているところですが,絶滅の恐れがある生物として環境省や宮城県のレッドデータブックに掲載されている種がサイト内外で複数確認されています.また,猛禽類がこれらの環境を利用していることも明らかになっており,その場を保全することの重要性はますます高まってきているようです.仙台平野沿岸部にわずかに残った海岸林や後背湿地などの様々な生態系が連続していることも,その価値を高めているのかもしれません.
地域の皆さんの生活を守ることは重要です.災害に対して安全・安心であることはもちろん大事ですが,安寧・幸福な生活には多様な生物・生態系も欠かせないように思えてなりません.
M.T.
撮影場所:
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地域の皆さんの生活を守ることは重要です.災害に対して安全・安心であることはもちろん大事ですが,安寧・幸福な生活には多様な生物・生態系も欠かせないように思えてなりません.
M.T.
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